2016年5月13日金曜日

今年もまた

お茶の製造は無事に終了しました。

一息つきたいところですが

最も過酷な作業、クワシロカイガラムシ防除の時期がやってきました。

本害虫は様々な樹木につきます。
その生態は自らの口針を幹や枝に刺し込み根こそぎ養分を吸い取り生活します。

繁殖力が非常に高く、天敵や雨から身を守るために、自らに固いロウ物質をふりかけ防御力を高める非常に攻守万能な厄介者です。

この虫を放置すると樹はあっという間に枯死してしまい、お茶の場合は収穫量が大幅に減少します。

この虫に限っては散布する薬液の量も他の虫に比べて2倍から3倍必要であり、水道代と農薬費がバカになりません。

さて、そんな彼らをやっつけるためには、生まれたての防御力の低いこの時期に殺虫するしかありません。


とても小さな虫なので顕微鏡を使い現状を確認します。


枝についているピンク色の楕円形をした物体がクワシロカイガラムシの幼虫です。

ピンク色をしているうちは農薬がかかればほぼ間違いなくやっつけることが可能ですが、虫の色が変わり始めてくると農薬の効果はあまり期待できません。

今では特効薬が開発されており、簡単にこの虫を退治できるようになりました。

しかし、東京都ではこの特効薬の使用が許可されていないので、こうして地道にやっていくしかないのです。
美味しいお茶をつくるために。


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