2020年8月8日土曜日

抜根

茶畑での作業性向上のため一部お茶の樹を抜根してもらいました。



「してもらいました」というのも

お茶は植えつけて5年もすると根っこがしっかりと張ってしまいます。
植えつけは手で誰でも出来ますが、抜くとなると手では不可能です。
それも今回のようにたくさん抜くとなるとどうにもなりません。
そこでユンボやバックホーと呼ばれる掘り起こす重機が必要となります。しかしそれらはお茶農家の場合、出番が多くありませんので所有している方もわずかです。
杉本園も所有していないので知り合いの野菜農家さんにお願いして抜根「してもらいました」という訳です。

この抜根作業は抜いておしまいではありません。当然これを処分しなくてはなりませんので、それにかかる労力、費用、時間はなかなかのものです…

話逸れますが、茶業界ではやぶきたという優良品種が数十年間全体シェア7割を占めています。みなさんが飲んでいるお茶のほとんどはやぶきたなはずです。
今ではこれに替わる新しい品種が続々と登場して「改植していきましょう」とどこの地域でも言われています。
しかし実際には抜根・処分作業は避けて通れませんし、次の植えつけ準備作業や数年間の減収を考えるとなかなか気軽にお茶の樹を引っこ抜くなんてできない…という方がほとんどです。まして農家の高齢化も進み、やれることには限りがあります。
たくさんの優良品種が出ているにも関わらずやぶきたが長年シェア7割の裏側には様々な個人事情が見え隠れしています。

今回は畑の作業性向上のための抜根なので植え替えるわけではありません。まだまだ美味しいお茶がとれ続けていますのでそのままです。

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